尊厳死
呪殺祈祷の中でも、自分自身を対象としたものの中に「尊厳死」(そんげんし)がございます。
尊厳死とは、人生の最終段階において過剰な医療行為や延命行為をおこなわず、自然な流れに身を任せた結果の死であると言えます。
病室のベッドに寝たきりのまま身体には何本ものチューブがつながれ、自由も楽しみも無い状態で生き続けさせられることはご本人の尊厳を著しく損ねるもので、家族や関係者のエゴであるという考え方があり、「尊厳死」はご本人の苦しみを少しでもやわらげ平穏な最期を迎える手助けになります。
別記の「安楽死」と異なるのは、「安楽死」は人為的にご本人の寿命を短縮するものであって我が国では認められておりません(殺人罪)。一方「尊厳死」は、過剰医療・延命治療をしないことによる自然な最期を迎えることであり、自然死とほぼ同等です。ただし、「尊厳死」を「消極的安楽死」、いわゆる「安楽死」を「積極的安楽死」と表現することもあります。
では「尊厳死」祈祷とは何か?
祈祷としては「呪殺」「安楽死」と同等のものになりますが、「呪殺」や「安楽死」は「対象者が未だ『死』から遠い」状態から速やかに絶命へと導くものであり、「尊厳死」はどちらかと言えば「対象者(ご本人)が『死』に瀕している」状態であるという違いがあります。
ご本人に対する祈祷(呪詛)に加え、家族や主治医など周囲の方々に対しても意識変化などのケアをおこなっていく必要があります。